活動背景・理念


想い・考え

我が国では現在、急速な少子化が進んでおり
その主な要因として
非婚化・晩婚化・結婚している女性の出生率低下などが挙げられています。

若者の結婚・出産に対する意識は時代とともに変化しており
Z世代の約2人に1人は子どもが欲しくないと回答(BIGLOBE調べ)

早い段階からマイナスなイメージを持っているようです。

経済面や自治体の子育て支援に対する不安から諦めている人達

「子どもを産み育てる金銭的余裕がない」
「本当は2人目が欲しい反面、山のように心配事が・・・」
「子どもは欲しいけど “贅沢品” だから諦めている」
「子どもを育てにくい世の中だとわかっているから最初から希望していない」

価値観の多様性や自らの生き方を大切にする考え、子育てを重荷に感じて敬遠している人達

「妊娠をきっかけに夢やキャリア、趣味を諦めないといけないから」
「自分の自由がなくなるのは苦痛」


このように子どもを持つことに消極的な意見が聞こえてきます。

これも全て、妊娠から約20年続く子育てを
親への責任にしてしまっている今の社会を見て育った若年層に
自然とプレッシャーをかけてしまった結果ではないかと考えます。

これからの日本の未来を作っていく、社会の宝である子ども達を
産み育ててくれる子育て世代を温かく支え
身内・他人関係なく、優しさで包み込む世の中へ変わっていけば
きっとこの流れはいい方向へ変化するものと私達は信じています。


津山市の世帯数の推移をグラフに表しました。

総世帯数は増加傾向にあるのに反して
18歳未満の子どもがいる世帯は緩やかに減少しているのがわかります。

単身世帯や、結婚後あるいは子どもが巣立った後の夫婦のみの核家族世帯が増え
少子化に伴って、子どもがいる家庭が減少している様子が見て取れます。

このように核家族が増えたことで
社会の中でも様々な変化が起こっています。

かつて親族や近所付き合いから得られていた
支援やアドバイスは気軽に受けにくくなりました。

60代となっても現役で働き続ける方が増えた現代では日中留守の家も多く
昔のように地域の方が
登下校や放課後を見守ってくれるような状況は徐々に減少

地域全体で子どもを育てるという意識も希薄となってしまい、
子育てが孤独化している原因のひとつとなっているのではないかと感じます。

そんな核家族化が進んだことによる風潮は
子育て世代に育児の心理的・肉体的負担として
様々な角度からじわりじわりと重くのしかかっています。

その結果、孤独な子育てから育児ノイローゼを引き起こしたり
育児放棄、虐待へ繋がる事案が日本全域で後を絶たず
幼い子ども達へ影響が及んでいます。

夫婦のみやシングルだと気を使わず自分流の育児・子育てができ、
プライバシーも確保されるというメリットがある反面、

複合家族(二世帯以上)で身体的・経済的・精神的に
自然と支えられていたものが得られなくなるというマイナス面は
デメリットとして子ども達に大きく跳ね返ってしまっているのかもしれません。

時には鬱陶しいと感じる、周りの手出し口出し
わかってるから!放っておいて!と反抗したくなります。
しかし、改めて振り返ってみると

もっと素直に、寛大な心で
親切として受け取っていればよかった

あのお節介に助けられたこともあったのではないかと

幼い子の育児が落ち着いた今、気がつきました。

核家族がまだ珍しかった昔

子ども達がおじいちゃんおばあちゃんから
日常生活で異世代の考え方や教えを学び、世話をやいてもらうことは
子育て世代の私たちはもとより
我が子の成長過程でとても大切な経験となっていた事は間違いありません。

二世帯家族・三世帯家族のような異世代が助け合う暮らしが滅多にみられなくなった今

その代わりを、どこがで、誰かが、
補わなければならない時代となったのではないでしょうか?

子ども達の体験格差が問題になっているのを知っていますか?

体験とは?

遊園地・水族館・動物園・家族で旅行に行く「文化的体験」
キャンプや海水浴に行く「自然体験」
農業や職業、ボランティアについて学ぶ「職業体験」
また、音楽やスポーツの習い事などの定期的な体験

このような学校以外での体験をする機会が与えられない子ども達がいます。

成長する中でたくさんのことを体験して育つ子どもとそうでない子どもがいる
これを体験の格差といいます。

この格差は育つ家庭の世帯収入によって子どもの格差は大きいと言われていますが
経済的な面もさることながら
保護者が送迎したり付き添う時間的余裕がなかったり
近場に気軽に体験をする場がないことが
大きく影響しているのではないかと私たちは考えています。

体験活動での経験は子ども達の将来に影響を与えます。

経験の多い子ども達は自己肯定感が高く、外交的、学ぶ姿勢が前向き、
メンタルが安定していて精神的回復が早い、という様々な良い結果が見られ
学童期における体験が人間形成にも関わってくると言われています。

更に、異年齢(年の離れた子ども)同士が関わることもまた
子ども達の成長過程で必要な経験の一つであるとも考えております。

一番身近な異年齢交流の機会はきょうだいです。
きょうだいがいる家庭は、日々自主性や社会性を身につける機会に恵まれているため
わがままを言わない、周りの子の様子を見て行動できるなど社会的発達が培われると言われています。

しかし、最初の若者の声にもあったように
様々な理由から子どもを2人以上もたない家庭もあります。

家庭で解決できないことはどうしたらいいのか?

こんなときこそ地域などの周りの出番

子ども達がそれらの経験をする機会を
社会で補おうとする活動も少しずつ増えてきています。


家庭は子ども達にとって基本となる教育の場
生活能力・思いやりの心・社会のルールなどを
親から教わりながら子ども達は自立を身につけます。

その「しつけ」が行き過ぎ
子どもの人権を侵害するほどに度を超えて
心身の成長や人格形成に大きな影響を与えてしまう場合
それは躾ではなく「虐待」となります。

古い情報になりますが
H12年度〜H22年度の津山市における児童虐待相談件数を掲載します。

子ども達にとって家庭とは
一番リラックスできる安らぎの居場所

家族と共に笑い、泣き、時には意見が食い違うこともあるけれど
社会へ巣立つまでの間、親からの無性の愛で
優しく守り育ててもらえる安全な場所です

そんな子ども達にとって唯一無二の安全基地で
理不尽に我慢を強いられていたり
周りには見えにくい辛さや孤独感を抱えているなど
子どもの人権が尊重されていない子育てが行われている状況があります。

虐待というと
殴る・蹴るなどの「身体的虐待」がまず思い浮かぶと思いますが
お風呂にいれない・満足にご飯を与えないなどの「ネグレクト」
無視する・きょうだい間の差別・言葉で脅すなどの「心理的虐待」などがあり
令和4年度は心理的虐待が約6割を占めています。

状況を自分で言葉にできるであろう年齢になっても
「自分が悪いから○○される」と認識している子ども達が多く

親を怒らせないように常に気を遣い生活していたり
更には、虐待を愛されている故の行為だと
親を心から信じている子ども達がいます。


虐待の発覚は学校や保育所などからが多いのですが
学校などから通告されても子ども達は本当のことをすんなりと話しません。

親の虐待を告白=自分が悪い子なのが他人にバレる
という思考が植え付けられている子も多くいるようです。

SOSを出したくても怖くて出せない
SOSを出すべき状況だと気づいてもいない

子ども達は社会でも家庭内でも弱者なのです。

SOSに気づくべき重要な存在である地域の人たちの意見として
「他所の家庭のことに口出しすべきではない」
「あまり深入りしてしまうと報復が怖い」
と、見て見ぬふりをしている実情も問題です。

子ども達が言葉にすることができない「助けて」の声を
救い上げる機会を提供することが
大人の私たちの役目ではないかと
子ども達と接する中で日々痛感しています。

岡山県は他県に比べ、虐待の相談件数はとても少ないです。
ただ、虐待まではいかないものの
心が寂しい思いをしている子どもはたくさんいます。

そんな子ども達の心のよりどころになる
敷居の低い居場所作りが必要です。


子どもが生まれた瞬間に親も生まれます
ただ、親になった瞬間にいきなり母・父らしく考え動くことは誰一人できません
育児のプロである保育士さんでさえ、実際の24時間育児の現実に疲弊するほど
育児は多様で複雑で過酷で
一筋縄ではいかない困難さがあるのです。

そんな育児を親も子ども達と同じく失敗成功を繰り返し、経験を積んで親になって行きます。

育児の情報はネットで検索すれば大体のことは得ることができますね。
しかし、メンタル面や実際のサポートまでは難しく
そこを補う役割を果たすべき機関が地域である必要があります。
子だけでなく、親も共にゆっくり見守り育ててくれる存在として
地域が存在しなければならないのです。

家庭の中がいつも笑顔溢れる状態というのは難しいかもしれませんが
家族で支え合いながら、外からの助けも借りつつ
子どもを育てるという大きな役割を社会全体で分担し
子育て世代に楽しい育児・教育期を過ごしてもらいたいと強く願います。

同じ地域に住む
現役子育て中のママが集まる
NPO法人CHIGAYA

この小さな集まりから
新米ママ・パパ・子ども達に優しい社会を作ることをお約束します。

大丈夫、あなた達のバックには私たちがついています
倒れそうになった時、気持ちが後ろ向きになった時は頼ってください
一緒に育っていきましょう